2011年6月4日(土)「しんぶん赤旗」
東電2社員、最大659ミリシーベルト
限度超す被ばく
東京電力は3日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の事故処理作業にあたった東電社員2人が、今回の事故で初めて、国が定める緊急時の被ばく限度250ミリシーベルトを超える被ばくをしていたことがほぼ確実になったと明らかにしました。東電は厚生労働省に報告しました。
被ばく限度を超えたのは30、40代の男性社員。5月23日に実施した内部被ばくを調べるホールボディーカウンター検査で、甲状腺から多量の放射性ヨウ素が検出されたと30日に公表していました。
2人は3、4号機の運転員で、3月11日の地震発生時から同15日まで中央制御室でデータの確認作業などに従事。その後も5月下旬まで同原発内で働いていました。体内にヨウ素を取り込んだ詳しい経緯は不明。今回、事故発生当初の2日間に一度に取り込んだ場合と3月31日まで平均的に取り込んだ場合を仮定し、30代社員が210〜580ミリシーベルト、40代社員が200〜570ミリシーベルトの内部被ばくをしたと見積もりました。
それぞれ外部被ばくは73・71と88・70ミリシーベルト。合わせた総被ばく量は、30代社員が約284〜654ミリシーベルト、40代社員が約289〜659ミリシーベルトとなります。今回の事故では、高濃度の放射能汚染水に足が漬かった作業員の240・8ミリシーベルトの被ばくがこれまでで最大でした。
東電は、マスク着用の有無やヨウ素剤の服用などの状況をまだ把握しておらず、詳しい調査によって実際の被ばく線量を確定させたいとしています。
政府・東電統合対策室の会見で、細野豪志首相補佐官は「内部被ばくの調査は遅れていた。これから検査をするなかで、250ミリシーベルトを超える方が出てくる可能性はある」と述べました。
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