2011年6月3日(金)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 3月11日、菅首相が外国人から献金を受けていたと分かりました。法に触れる、外国人からの献金。同様の疑惑で、前原誠司氏が外相を辞めたばかりでした▼“菅内閣、もはやここまで”。そう思われたとき、東日本大震災が起こります。首相が辞めようにも辞められない、巨大津波と原発事故。首相は政権を維持する代わりに、自身がのちに「戦後最大の危機」とよんだ大災害に立ち向かう責任を背負い込みました▼以来、3カ月近く。菅内閣への人々の採点はきびしい。最近の世論調査によれば、政府の復旧・復興への対策や被災者への支援を「評価しない」と考える人が、5割を超えます。原発事故への対応では、7割以上が「評価しない」▼現実にてらし、うなずける採点です。しかし、内閣不信任案を出した自民や公明のいい分には恐れ入りました。自民は、浜岡原発の運転中止を電力会社に要請した首相をヒトラーになぞらえるほど、非難の限りをつくしました▼やっぱり自民は、原発を守りたいのか。自公が、菅内閣の原発対策の後手後手をいくら批判しても、人々から足元をみすかされています。献金をもらって電力業界と癒着し、「福島原発は危険」との警告にも耳を貸さなかった、自民に任せていいのか、と▼地震・津波・原発の三重苦。政治は、最後のよりどころです。なのに、ただでさえ菅内閣が信用をなくしている上、自公の党利党略に民主の権力抗争もからむ足の引っ張り合い。政治が新たな災いをよんではいけません。





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