2011年6月1日(水)「しんぶん赤旗」
宮城 大雨・強風で二次災害
目前に土砂 地域住民に不安の声
仙台市内
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5月30日の大雨・強風により、宮城県各地で土砂崩れ、冠水、停電の被害が出ました。
記録的な大雨となった仙台市内では、がけ崩れが5件、道路冠水などが21件。東日本大震災で地滑りを起こした内陸部でも、ふたたび土砂が崩れるなど、二次災害が発生しています。
「心配したとおりになった。怖くて家の中にいられない。早くなんとかしてほしい」―。同市泉区七北田八乙女の住民は訴えました。
この住宅地では、震災でのり面が地滑りし、擁壁を押し出して、下の住宅に迫っていました。大雨で、のり面が崩れ、土砂が住宅の敷地内に流れ込みました。この住宅に住む男性(35)は「建ててまだ2年。家の中まではまだ土砂はきていないが、小さい子どもがいるので、避難するか悩んでいる」と話しました。
この地域では、周辺の住民が土砂崩れを心配し、土地の持ち主や市に対策を取るよう訴えていましたが、持ち主がブルーシートをかけただけの対応でした。
崩れたのり面の上の宅地に住む女性は、「本当に不安です。どんな状況なのか、どう対応しようとしているのか、市は住民に説明してほしい」と訴えました。
同市太白区緑ケ丘4丁目でも、住民は震災の地割れによる宅地被害に悩まされています。大雨の日は、「地割れにかけたブルーシートにたまる水を一日中、くみ出す住民もいた」と話したのは、同地区の住民らでつくる「被災者の会」副代表の宮野賢一さんです。
同地区には市から避難勧告が出ていますが、約半数の住民がガスの止められた自宅に残って生活をつづけています。「被災者の会」は29日、居住の可否を早く判断することを求めるなどした要望書を市に提出しました。
大雨が降った30日、日本共産党の市議らは、直ちに調査に入り住民の要望などを聞きました。党宮城県委員会は、地盤災害に対する国の救済制度の創設を求めて、3日に対政府交渉をする予定です。