2011年6月1日(水)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 薄日が差すきのうの昼でした。天を仰ぐと、太陽に暈(かさ)がかかっていました。光の輪が大きい▼見た目には、直径が太陽の20倍から30倍はあろうかという、大円を描きます。淡い虹色の縁どり。日輪から縁までの間は、一面、暗めの灰色に覆いつくされています。美しいけれど、不気味さは否めません▼しばらく観察しているうちに、こんどは南の空に別の光の現象をみつけました。水平に横切り、雲間を彩る虹色の帯。水平環です。暈の円と水平環の直線。まとめて写真に収めようと試みましたが、カメラの視界に入りきりませんでした▼日の光と大気が織り成す、大自然の芸術。暈も水平環も、太陽光が氷の結晶で屈折し、表れ出ます。ふつう「虹」とよばれる弓なりの光の帯は、氷ではなく水滴にあたった太陽光の屈折・分光で生まれます。暈や水平環が風雨の前ぶれとされるのに対し、虹は夕立のあとなどに多い▼「白虹(はっこう)」という言葉もあります。調べると、二通りの説明を見受けます。日暈のこと。太陽の中心にかかる弧を描く、色のつかない光の輪、幻日環のこと。幻日環は、氷の結晶の表面が太陽の光を反射してできる、といいます▼中国の「白虹日を貫く」という言葉から察すれば、幻日環の方かもしれません。「白虹」は武器、「日」は君主をさします。白虹は、むほんや反乱が起こる兆し、というわけです。もちろん、科学上の話ではありません。しかし、民主党内からも退陣論がつよまる菅首相など、白虹はみたくもないでしょう。





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