2011年6月1日(水)「しんぶん赤旗」
店長は「名ばかり管理職」
残業代など支払い命じる
東京地裁立川支部
安売りコンビニエンスストア「SHOP99」元店長の清水文美(ふみよし)さん(31)=首都圏青年ユニオン組合員=が、権限のない「名ばかり管理職」で残業代なしの過酷な長時間労働で健康を壊したとして、未払い残業代と慰謝料の支払いを求めた訴訟の判決が31日、東京地裁立川支部でありました。
判決は、清水さんが「名ばかり管理職」だったと認め、会社側に対し、残業代44万8376円と付加金20万円、慰謝料100万円の計164万8376円を支払うよう命じました。
SHOP99を運営するのは、コンビニ大手ローソンの完全子会社、九九プラス(本社・東京都新宿区)。
清水さんは2006年入社後、わずか9カ月で店長となりました。「管理監督者」扱いで残業代は払われず、店員時代より賃金は8万円も下がりました。37日連続勤務など過酷な労働が原因で、うつ状態と診断され、入社から1年2カ月で休職に追い込まれました。
判決では、清水さんの職務内容、責任、権限、賃金からみて「管理監督者に当たるとは認められない」と指摘。「時間外労働や休日労働に対する割増賃金が支払われるべきである」としています。
うつ状態についても、「業務と本件発症との間には相当因果関係が認められる」として、会社が安全配慮義務に違反したと断じています。
会見で清水さんは、「判決は、自分の思いに後悔のない中身になっている。健康を取り戻せず、苦しかった。やっぱり働きたい。会社は人を人として扱ってほしい」と強調しました。
清水さんは復職を希望しており、健康の回復をみて、組合などで会社と話し合うとしています。
名ばかり管理職 権限もないのに肩書だけ管理職とされ、ただ働き残業や長時間労働を強いられること。管理監督者であるかどうかの基準は▽経営者と一体的な立場▽勤務時間の自由裁量▽職務に見合う待遇―などです。
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