2011年5月31日(火)「しんぶん赤旗」
国と自治体が協議開始
生活保護改悪 8月めどにまとめ
厚生労働省は30日、生活保護制度の改悪に向けた地方自治体との協議を開始しました。厚労省で開かれた会合で細川律夫厚労相は、「今回の協議は、地方の提案を踏まえて、制度改正を視野に入れたものだ」と述べ、8月をめどに意見をとりまとめる意向を示しました。
生活保護をめぐっては、政令指定都市の市長で構成する指定都市市長会が昨年10月、働ける年齢層(16〜65歳)に対し▽就労自立を促しボランティアや軽作業を義務づける▽ボランティアなどへの態度をみて3〜5年で受給の可否を判断する更新制度を導入する―など生活保護に有期制を持ち込む改悪案を示し、国との協議を求めてきました。厚労省は同市長会などの提案をベースに協議を行うとしています。
この日の協議で細川厚労相は、検討課題として▽受給者の就労、自立支援▽医療扶助・住宅扶助の「適正化」▽保護費の「適正」支給▽求職者支援制度と生活保護との関係整理―を示し、今後月2〜3回の事務レベルでの協議を提案しました。
指定都市市長会を代表する大阪の平松邦夫市長は、生活保護費の全額国庫負担とともに「期間を決めた就労やボランティア参加の義務づけの検討」を求めました。石川県の谷本正憲知事も、「更新制度を導入しないと自立は助長できない」と強調しました。
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