2011年5月29日(日)「しんぶん赤旗」
公務員の権利制限州法
無期限差し止め
米ウィスコンシン州
【ワシントン=小林俊哉】米中西部ウィスコンシン州の控訴裁判所は26日、同州公務員の権利を制限する州法について、1審に続き、法律の制定過程に問題があったとして無期限差し止めとするとの判決を出しました。
同法は、人件費削減策として、警察、消防を除く州公務員の団体交渉権を基本賃金などに限定し、インフレ率以上の賃上げには住民投票を実施することなどを導入。労働者の医療保険負担、年金負担も大幅に引き上げるもので、共和党のウォーカー州知事が推進。労働組合を中心に大きな反対運動が起こりました。
野党・民主党は同法の審議に際し、抗議のため議会を欠席。共和党は定足数不足にもかかわらず同法を可決し、同知事が署名していました。
これに対し、同州デーン郡の検事が同法は無効だとして提訴していました。控訴審の判決に対して、州側は27日に上告。係争は同州最高裁に持ち込まれ、来月6日に双方の意見陳述が行われる予定です。