2011年5月28日(土)「しんぶん赤旗」

虐待防止

親権 最長2年停止

参院 改正民法など可決・成立


 児童を虐待した父母の親権について、家庭裁判所が最長2年間停止できる制度の創設を柱とする改正民法と関連法が、27日午前の参院本会議で全会一致で可決、成立しました。政府は来年4月の施行を目指します。

 民法には、親権を無期限にはく奪する「親権喪失」規定がありますが、「適用しにくい」との指摘がありました。期間限定の制度によって、児童の安全を確保するとともに、父母らが目標を持って更生し、いずれは子どもを家庭に戻せる可能性を高めることも期待されます。

 新制度では、被害児童や親族、児童相談所長、検察官の請求に基づいて、家庭裁判所が親権停止を決めます。停止期間は「子の心身の状態、生活の状況、その他の事情を考慮し、2年を超えない範囲で定める」としました。

 また、関連法の一つの改正児童福祉法は、児童相談所の保護下に入った児童について、所長が監護、教育に関する権限を持つことを明記。父母の同意がなくても、所長の判断で必要な治療などを行えることも明記しています。

 また、離婚協議事項として、子の利益を優先して考慮し、親子の面会交流や養育費を明文化しました。





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