2011年5月28日(土)「しんぶん赤旗」
被災3県から要望聞く
衆院復興特別委 高橋議員が参加
衆院東日本大震災復興特別委員会は27日、福島、宮城、岩手の被災3県を訪ね、各知事らと復興への取り組みや原発事故対応について意見交換し、現場からの要望を聞きました。日本共産党から高橋ちづ子議員が参加しました。
福島第1原発事故の悪影響が産業、教育、生活などあらゆる面で出ている福島県で高橋氏は、佐藤雄平知事らに政府・東電が示す原発事故の収束・被災者支援を定めた工程表をどうみているか、現行の原子力損害賠償法に基づいて検討されている賠償枠では被災者の実情に合わないのではないかと、考えを聞きました。
佐藤知事は「工程表については実現を願うのみ。委員会でも原発事故をどうやって収束するのか議論していただきたい。それが被災者支援の光明にもつながる」と述べました。
損害賠償の県担当者は、「団体だけでなく個人への賠償・支援もしていきたい。避難指定区域外で自主的に避難した人の避難費用や精神的損害の賠償・支援も含めた議論を」と述べました。
宮城県では、村井嘉浩知事らが応対。村井知事は、県の被災・復興状況について報告し、委員会へ約190項目にわたる県の要望書を手渡しました。
高橋氏が、県が自由に使える復興基金を国がつくることを提案すると、村井知事は「国の制約を受けない財源があると本当にありがたい。ぜひお願いしたいです」と応じました。また高橋議員が、知事の推進する「水産業復興特区」構想について「地元の漁民の皆さんを主人公として、よく話し合ってほしい」と要望すると、「しっかり話し合いながら、理解いただいて進めたい。あくまで中心は漁民の皆さまです」と答えました。
ほかにも、内陸部の地滑り対策、がれき処理の用地確保の問題などについて意見交換がされました。
盛岡市の岩手県庁で達増拓也知事は、行方不明者の捜索、避難所住民の衣食住の確保、仮設住宅の提供と生活資金・雇用の確保、産業の復旧・復興など、「多くの課題に同時に取り組まなければいけない状況だ。ぜひ、国家プロジェクトとして復興を取り組んでいただきたい」とあいさつしました。
高橋氏は被災し、破壊された県立病院をどう再生するのか、被災者生活再建支援法の県と国の負担割合について見解をたずねました。県側は国からの3分の2補助のさらなる引き上げで県立病院の再生に取り組む意向を示し、同法については国庫負担の増額を要望しました。
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