2011年5月28日(土)「しんぶん赤旗」
福島原発事故
全住民 内部ひばく調査を
参院参考人質疑 山下議員が質問
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参院予算委員会は27日、福島原発事故について参考人質疑を行い、日本共産党の山下芳生議員が質問に立ちました。
琉球大学の矢ケ崎克馬名誉教授は、日本が採用している国際放射線防護委員会の被ばく基準について、核兵器の放射線が人体に与える影響を小さくみせるため、放射性物質を体内に取り込むことで起こる内部被ばくの危険を無視してつくられたものだと指摘しました。
長崎大学の柴田義貞特任教授は、福島の全県民を対象とした健康不安の解消、早期発見・早期治療の体制確立を求めました。
山下氏は、内部被ばくの問題点について質問。矢ケ崎氏は、外部被ばくであれば細胞は比較的正常に回復する可能性があるが、内部被ばくは密集した領域にダメージを与えるため回復が難しいとし「内部被ばくが世界的に被害を及ぼしていることに目を向けてほしい」と述べました。
山下氏は、周辺住民の健康調査について、サンプル調査ではなく全住民を対象にするとともに、治療と一体で実施すべきではないかと質問。柴田氏は、住民全体を対象にしながら、原発周辺住民についてはより詳しい調査をするなどの手法が必要ではないかと述べました。
矢ケ崎氏は、住民一人ひとりに健康手帳を交付することや、内部被ばく調査の項目を設けることを提案しました。