2011年5月28日(土)「しんぶん赤旗」
違憲の「君が代」起立強制条例案 可決するな
日弁連が会長声明を発表
橋下徹大阪府知事が代表を務める地域政党「大阪維新の会」が府議会へ、公立学校教職員に「君が代」の起立・斉唱を強制する条例案を提出した件で、日本弁護士連合会(宇都宮健児会長)は26日、可決することのないよう求める会長声明を発表しました。
同声明は、「地方自治体の首長が当該自治体の教職員に対し、免職を含む処分の制裁を公言して君が代斉唱時の起立・斉唱を求め、これを条例によって強制することはかつてない事態である」と指摘。「思想・良心の自由等の基本的人権の保障に加え、教育の内容及び方法に対する公権力の介入は抑制的であるべきという憲法上の要請に違反するもの」と、強く批判しています。
声明は、国旗・国歌法制定時に、「君が代」が戦前、天皇主権の象徴として用いられたという過去の歴史に配慮して、国歌・国旗の尊重を義務づける規定が盛り込まれなかった経緯にふれ、「起立を義務づける条例は、条例制定権を『法律の範囲内』とした憲法94条に反する」としています。