2011年5月28日(土)「しんぶん赤旗」
経団連が「復興・創生マスタープラン」
「特区」、大規模集約化など主張
日本経団連は27日、東日本大震災からの「復興・創生マスタープラン」を発表しました。被災地全域を「震災復興特区」に指定し「構造改革」路線をすすめる産業政策を提起するとともに、消費税増税のための「社会保障・税の一体改革」推進と環太平洋連携協定(TPP)参加など、「新成長戦略」の加速を求めました。
産業政策について「マスタープラン」は、「単に震災前の状態に戻すのではなく」「同地域がわが国産業を牽引(けんいん)できるよう新たな視点で復興策を考えていくことが不可欠である」と強調。そのために「震災復興特区」のもとで、「税、予算、規制改革など政策運営を行っていくとともに、道州制を視野に入れた広域の産業政策の実施」を提言しています。
農林水産業の「復興」では、「複合経営体として企業的農業経営を行う民間事業主体を確立」「大規模・先進的経営を実践」することを主張。企業の参入を促す仕組みを整え、「成長産業化」することを求めています。
「マスタープラン」はさらに、「日本経済の再生のためには、今回の震災からの復興を踏まえた新成長戦略の加速が求められる」「とくに震災前からの懸案である社会保障と税・財政の一体改革の推進やTPPへの参加をはじめ諸外国・地域との経済連携が不可欠であり、震災により後退させることなく推進する必要がある」と強調しています。
経団連は「マスタープラン」発表に先立つ26日に総会を開き、「国難を乗り越え『新たな日本』を創造する」との決議を採択。そこでは「消費税を軸とした歳入改革の実現」を掲げました。