2011年5月27日(金)「しんぶん赤旗」
イタリア 原発復活計画を凍結
国民投票を求める声も
イタリアからの報道によると、同国下院は25日、過去に全廃した原子力発電所の復活計画を無期限に凍結する措置を賛成多数で可決しました。上院でもすでに可決されており、この措置は法律として成立しました。
今回の無期限凍結は、6月12日に予定された原発復活の是非を問う国民投票を回避する狙いがあります。福島原発事故後に実施された世論調査で、原発復活に「反対」が75%に達し、国民投票で復活が拒否されることが確実視されているためです。
ベルルスコーニ首相は4月末、「原子力は世界の未来だ」とのべ、1〜2年後には改めて原発復活に着手する意向を表明。ほとぼりが冷めるまでの時間稼ぎのため、「無期限凍結」を持ち出したものです。ベルルスコーニ政権は、福島第1原発の事故が発生した直後に復活計画を1年間凍結することを決定していました。
これに対し、はっきりとした「脱原発」を主張する野党や反核団体などは、政府の「凍結」論を批判し、国民投票の実施を求めています。
無期限凍結法の成立で国民投票が中止になるかどうかは、最高裁にあたる破毀院(はきいん)が決定します。