2011年5月26日(木)「しんぶん赤旗」
原発推進法人は「天下り」指定席
「理事長」に経産省OB
塩川氏が追及
東京電力の副社長ポストが経済産業省幹部の天下り「指定席」になっていることが問題になるなか、原発推進の財団法人「電源地域振興センター」の理事長、社団法人「海外電力調査会」の専務理事も同省ОBの「指定席」となっていたことが25日、明らかになりました。日本共産党の塩川鉄也議員が調べたもの。同日、衆院内閣委員会で、各電力会社に13人の同省ОBが役員・顧問として在籍していることも取り上げ、電力業界と経産省の癒着をきっぱり断ち切ることを求めました。
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電力会社にいまも13人
塩川氏によると、1990年に設立された電源地域振興センターは、初代理事長の箕輪哲氏(元工業技術院総務部長)から、現在の新欣樹理事長(元中小企業庁長官)にいたるまで、4代続けて経産省OBです。
海外電力調査会の専務理事も、1958年の設立以来、04年に就任した現職の稲葉裕俊氏(元四国通商産業局長)まで7代続いて経産省OBの指定席です。
電源地域振興センターは、02年に、電力会社が作成した原発立地給付金の受け取り拒否者リストを自治体に流した張本人。いわば、原発推進のために住民の思想調査にまで手を貸すような団体です。海外電力調査会も、基本的に電力会社からの会費によって成り立っている公益法人で、ここへの天下りは、事実上電力会社への天下りといえます。
塩川氏は、こうした経産省の「指定席」ポストが、総務省の公益法人などへの再就職者「5代連続ポスト」調査から両団体が漏れていることを指摘。「“指定席”の法人を少なく見せようとしているのではないか。3代続けて国家公務員ОBがポストを占めている法人など、すそ野を広げて調査をやり直すべきだ」と迫りました。
また、電力会社への天下り問題では、塩川氏の4月13日の同委員会での追及で、枝野幸男官房長官が「(原発、原子力の安全を)指導監督する行政の側と、指導監督を受ける側との間にいささかも癒着が生じているという国民的な疑義があってはならない」と答弁。石田徹前資源エネルギー庁長官が東電顧問を辞任しましたが、電力会社にはまだ、13人の経産省ОBが在職しています。(表参照)
塩川氏は、13人中、11人が資源エネルギー庁や原子力安全・保安院の役職を歴任していることを指摘。「資源エネルギー庁の指定職を経験した者は電力会社の役員・顧問に再就職することについては自粛を促す」とした経産省の不十分な基準にも該当しているとただしました。
枝野官房長官は、「5代連続ポスト」調査の不十分さを認め、電力会社への天下りについては、「国会の議論や国民の批判がある。それぞれが判断されることを期待する」とのべるにとどまりました。
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