2011年5月26日(木)「しんぶん赤旗」
島根でも冷却喪失の危険
吉井氏 全原発の対策要求
衆院委
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日本共産党の吉井英勝議員は25日の衆院経済産業委員会で、島根原発では想定内の津波による引き波で海水取水ができなくなり、冷却機能が失われることを指摘し、全国のすべての原発について津波・地震対策をとらせるよう求めました。
原子力安全・保安院は、福島原発の事故を受けて原発の緊急安全対策を実施するよう電力各社に指示。今月6日に「(対策は)適切に実施されている」との判断を下しました。
吉井氏が、「東日本大震災による女川原発(宮城県)の原子炉建屋や中越沖地震時の柏崎刈羽原発(新潟県)のタービン建屋で記録した2000ガルの地震に遭遇した時の原発プラントの健全性がどうなるのか調べたのか」とただすと、原子力安全・保安院の寺坂信昭院長は「(指示は)津波への緊急安全対策で、それ以外の部分については本格的に含まれていない」と答弁しました。
吉井氏は、津波対策をみても、島根原発では海水引き込み口の水位が1号機でマイナス2・4メートル、2号機でマイナス3・5メートルしかないと指摘。津波による引き波の想定は標準海水面からマイナス5・7メートルなので、「海水で熱交換して冷却する機能が失われる」と追及しました。寺坂院長は「引き波による水確保への対応もカバーしている部分が相当ある」と釈明しました。
吉井氏は、2006年から引き波による冷却機能の喪失問題を取り上げているのに「まだ対策がとられていない」と指摘。さらに、問題の根本には地震列島である日本での原発立地にあるとして、「原発依存のエネルギー政策はやめるべきだ」と強調しました。