2011年5月26日(木)「しんぶん赤旗」
介護改定案、「要支援者」市町村任せ
高橋議員批判、震災対応に集中を
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日本共産党の高橋ちづ子議員は25日の衆院厚生労働委員会で、介護保険法改定案について「利用者の負担増」や「『軽度者』の保険外し」につながる芽が含まれていると批判しました。「大震災からの復興をめざす時期に、このような重大な法改定を進めるべきでない」と主張し、いったん棚上げして震災対応の必要な措置をとった上で、審議を十分尽くすよう求めました。
法案には、「要支援」と認定された利用者を市町村の判断で全国一律の保険給付の対象から外し、市町村任せの「介護予防・日常生活支援総合事業」(総合サービス)の対象に移すことができる仕組みが盛り込まれています。
高橋氏が「利用者が市町村の判断を拒否し、『こっちを受けたい』といったら、希望を聞いてもらえるのか」とただしたのに対し、大塚耕平厚労副大臣は「地域包括支援センター(市町村が責任主体)が、本人の意向を尊重しつつ、利用者の状態に応じて」判断するのが原則だと答弁。制度上、市町村が心身の「状態」を口実に本人の意向に反して利用者を「総合サービス」に移すことが可能であることが改めて明らかになりました。
さらに高橋氏は、「総合サービス」の財源が各市町村の介護給付費の3%以内に制限され、介護給付費の5・9%を使っている要支援者を「総合サービス」に移せば財源が保障されない問題を追及。大塚副大臣は「今後、実情を踏まえて考える」と無責任な態度を示しました。
高橋氏は、費用を抑えるために要支援者へのサービスが専門のホームヘルパーでなくボランティアに任せられたり、利用料の高い事業者に丸投げされかねないと指摘。そのうえ「市町村が決めたこと」と国が責任逃れすることは許されないと批判しました。