2011年5月25日(水)「しんぶん赤旗」

国家公務員人件費 2割減

地方・民間626万人に影響

賃金減7兆円・消費減5.2兆円


 国家公務員の人件費を2割削減した場合、影響を受ける労働者は民間も含め625・8万人、賃金減少額7兆円に及び、消費が5・2兆円、生産が10・7兆円減少する―。こんな試算を労働運動総合研究所が24日までに、全労連や国公労連、自治労連などの協力でまとめました。


復興にマイナス 労働総研試算

 民主党政権は「国家公務員人件費の2割削減」をマニフェスト(公約)に掲げ、東日本大震災でも復興財源として1割削減する案を労働組合に提示しています。

 民間職場でも公務員賃金が参考にされるため、国家公務員(64・1万人)の人件費を削減すると、地方公務員(286・2万人)や独立行政法人、私立学校、民営病院、社会福祉施設など官民20業種625・8万人に波及します。

 2割削減した場合の経済的マイナス影響は、▽家計収入減少額6兆9420億円(1割削減の場合は3兆4710億円)▽家計消費減少額5兆1874億円(同2兆5937億円)▽国内生産減少額10兆7010億円(同5兆8472億円)▽付加価値(GDPに近似)減少額4兆5818億円(同3兆431億円)▽国と地方の税収減少額8133億円(同5401億円)―と巨額になります。

 労働総研の中島康浩理事は、「地方公務員や民間での賃金削減は、復興財源にまわるとは言えない」と指摘しています。

 国公労連の宮垣忠委員長は、「公務員賃金の削減は、景気回復に逆行し自治体財政にも影響を与える。道理のない一方的な賃金削減は認められない」と強調しました。

 労働総研では、東日本大震災の復興財源について、中堅・大企業が内部留保を4・7%活用し、無利子の復興国債を引き受ければ、15兆円を確保できるとした試算をまとめ、発表(本紙4月29日付)しています。





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