2011年5月25日(水)「しんぶん赤旗」
公衆電話の増設求める
塩川氏 「災害時に大きな役割」
衆院総務委
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日本共産党の塩川鉄也議員は24日の衆院総務委員会で、東日本大震災のもとでの通信手段として公衆電話が大きな役割を発揮したことを指摘し、大災害に備えて公衆電話の増設を求めました。
塩川氏は、災害時において優先電話の指定が一部にとどまっている携帯電話に比べ、全数が優先電話として扱われ、国民すべてが利用できる「公衆電話の意義は失われていない」とする2008年の情報通信審議会の答申を紹介。「携帯電話が通じない期間が長期に続くなか、公衆電話で家族や知人の安否を確認できたという事例はたくさんある」と強調しました。
その上で、この間、公衆電話が減らされ、公共施設からの撤去も相次いでいることは問題だとして、公衆電話の増設と、避難所となる施設への設置の義務付けを求めました。
片山善博総務相は「大事な視点だ。避難所の通信確保に公衆電話の設置は非常に有効だ。一方で公衆電話は不採算のところが多い」と答弁。塩川氏は「単純に採算ベースの話ではなく、必要最低限の通信手段の確保という立場で事業者に対応を求めることが必要だ」と強調しました。
さらに塩川氏は、福島県双葉郡浪江町の住民のケースをもとに1、2月分の携帯電話料金に比べ、3月分の料金が3倍以上跳ね上がっていることを提示。「いま通信事業者は高い収益をあげ、震災の影響は限定的だ。政府として被災者の電話料金の負担軽減を行うよう通信事業者に要請せよ」と訴えました。
片山総務相は「福島県双葉郡のケースで言えば、原発災害に起因する損害の範疇(ちゅう)に入ると思う。東電に対し、追加費用を請求することが想定される」と述べるにとどまりました。
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