2011年5月25日(水)「しんぶん赤旗」

リビア

首都空爆最大規模に

NATO軍 政権退陣狙う


 【カイロ=伴安弘】北大西洋条約機構(NATO)軍は24日、リビアの首都トリポリを空爆しました。これまでで最大規模の空爆とみられます。クリントン米国務長官は23日、ロンドンで「われわれは(リビアの最高指導者)カダフィ(大佐)に対して行動する時がきた」と表明。米英仏などには、武力行使を通じてカダフィ大佐を退陣に追い込むねらいがあるとみられます。


153人が死傷

 米英仏軍は同日、トリポリ市内各所を空爆。12〜20回の爆発が起きたといいます。

 カダフィ政権のイブラヒム報道官は、空爆で3人が死亡、150人が負傷したと述べました。同氏は、人民防衛隊の本部の建物が爆撃を受けたが、そこは無人だったとし、空爆による死傷者は近隣住人らだと述べました。

 NATO軍の空爆実施を前にフランスのロンゲ国防相は23日、同国が攻撃ヘリコプターをリビア戦線に投入すると述べていました。同国防相によると、英国もヘリを投入する方針です。

 リビアでは2月半ばの反政府デモとこれへのカダフィ政権の武力弾圧が起きて以降、東部を反政府側が、首都トリポリなどをカダフィ政権側が支配。この数週間、こう着状態が続いていました。

 オバマ米大統領は19日の演説で、カダフィ大佐が「強制的に権力の座から下ろされる」ことに言及。ロンドン訪問時にはキャメロン英首相と連名で英紙タイムズに寄稿し、「われわれは彼(カダフィ)の戦争マシーンを破壊し、人的破局を防いできた。国連決議が完全に実施されるまで、同盟国とその履行を続ける」と述べています。

 国連安保理決議1973は、リビアへの飛行禁止区域の設定、リビアの民間人への攻撃を終わらせるための措置をとることを認めています。しかし、政権を倒すことまでは認めていません。





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