2011年5月24日(火)「しんぶん赤旗」
「もんじゅ」直近に活断層
参院委で井上氏 計画撤退迫る
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日本共産党の井上哲士議員は23日の参院決算委員会で、停止中の高速増殖炉もんじゅ(福井県)の開発計画の中止を求めました。
「もんじゅ」は1995年12月にナトリウム(冷却材)漏れ火災が発生し、以降14年5カ月間停止。昨年5月に再開しましたが、8月に燃料交換のための炉内中継装置(3・3トン)が、炉内に落下する事故で再び停止しています。
井上氏は、「炉内中継装置が変形している以上、原子炉が傷ついている可能性がある」と指摘し、ナトリウムを抜いて目視で炉内を点検するよう要求。日本原子力研究開発機構の鈴木篤之理事長が、「中継装置を引き上げて判断する」と明言しなかったため、井上氏は「福島第1原発事故でも、目視ができないために困難を極めている」と述べ、無責任な姿勢を批判しました。
井上氏は、高速増殖炉は空気や水に触れると激しく燃えるナトリウムを冷却材に使い、強い毒性を持つプルトニウムを燃料にするなど危険性や技術的困難さを抱え、欧米各国は撤退していると指摘。これまで「もんじゅ」に9481億円もつぎ込みながらトラブルや停止が続き、運転一時間あたり1億7000万円もかかることを指摘。「もんじゅ」の直近には活断層があることも明らかになったとして、開発計画からの撤退を迫りました。
高木義明文部科学相は、「福島第1原発事故の検証や国民の意見、エネルギー政策の見直しをふまえ検討する」と答えました。
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