2011年5月24日(火)「しんぶん赤旗」
原発事故
独立規制機関「必要」
参院委 田村氏質問に参考人
参院行政監視委員会は23日、原発事故をめぐって、4人の参考人を招いて質疑を行いました。
京都大学原子炉実験所の小出裕章助教は、「防災の原則は危険を大きめに評価し住民を守ることなのに、政府は福島の事故後も危険性の過小評価を続け、避難地域拡大も後手後手だ」と批判しました。
元東芝で原子炉格納容器の設計に携わってきた後藤政志氏は「原子力安全委員会が過酷事故は発生確率が少ないと無視してきたことが最大の問題」と強調。「大事故を防げず、起きたときの影響を受忍できない技術はやめるべきだ」と原発の段階的停止を求めました。
「原発震災」の恐れを1990年代から警告した石橋克彦・神戸大学名誉教授は、日本の原発はすべてが「地震付き原発」だと強調。新増設は中止し、全原発のリスクを順位付けした上で、順位の高いものから順番に閉鎖すべきだと提言しました。
日本共産党から田村智子議員、山下芳生の両議員が質問。田村氏は、政府が想定震源域の真上にある浜岡原発について津波対策さえとれば運転再開を認める姿勢を示しているが、どう考えるかと質問しました。石橋氏は想定地震動の甘さや複雑な地盤隆起の可能性にもふれ「津波対策だけでいいとはまったく言えない」と述べました。
また田村氏が独立した原子力規制機関の必要性について尋ねると、小出氏は「ぜひとも必要だ。原子力安全委員会は機能していないし、原子力安全・保安院も原発推進の経産省に取り込まれている」と述べました。
ソフトバンクの孫正義社長も意見を陳述しました。
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