2011年5月23日(月)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 「10人集まると、11の党ができる」「どんな提案も10%の反対はある」―イタリア人の政治的性向について、イタリア人自身が語ってくれたことです▼この「常識」を覆す結果が出ました。15、16日に実施されたサルデーニャ州での原子力発電所建設の是非を問う住民投票で「原発反対」が97%を超える票を獲得したのです。「なだれをうつ原発ノー」と地元紙は報じました▼サルデーニャは、シチリアに次ぐイタリア第二の島。面積は2万4000平方キロで日本の四国より一回り大きく、人口は170万人弱で四国の4割ほど。都市部を除くと圧倒的に過疎の島といえます。それゆえでしょうか、サルデーニャに原発建設の話がもちあがったのは▼イタリアでは、1986年の旧ソ連チェルノブイリ原発事故の翌年、国民投票で原発全廃を決定。しかし、それから20年以上たった2008年春、保守的な現ベルルスコーニ政権が、13年までの任期中に原発建設に着手する計画を発表したのです▼住民投票の実施日が決定されたのは2月初め。当初から原発建設反対が勝つとの見方が大勢でしたが、その1カ月後に発生した福島第1原発事故が投票結果に影響を与えたことは間違いありません。「フクシマはサルデーニャ住民の自覚を促した」と州知事は語っています▼しかし反面教師として世界から評価されるのは情けない。未完成の技術である原発への依存から脱却し、原発ゼロと再生可能エネルギーの普及でこそ世界から見直される日本にしたい。





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