2011年5月22日(日)「しんぶん赤旗」

スペイン大型地方選

若者ら集会13万人

20%超失業率改善など求め


 スペインで22日、全国8000余りの市町村と13州の首長・議員を選ぶ大型地方選挙が行われます。報道によると、財政状況の悪化を理由に緊縮政策を続けてきた政権与党・社会労働党は国民の反発を受けて苦戦しています。15日からは失業中の若者などが連日、緊縮政策に抗議する集会を全国各地で開いています。(島田峰隆)


 今回の選挙は、来年3月に予定される総選挙の前哨戦とされます。サパテロ政権は昨年から、世界金融危機と不動産バブル崩壊後の財政赤字の削減のためとして、増税や年金支給開始年齢の引き上げ、公務員賃金の削減などを実施。こうした政策の是非が主要な争点になっています。

 社会労働党は、緊縮政策への“理解”を求めていますが、右派野党・国民党は論戦で、“政府の失策が国の危機を招いた”と批判。こうした主張が国民にある程度浸透し、南部セビリアなど社会労働党が10年以上与党を務める主要都市で国民党が勝利する可能性が指摘されています。

 一方、15日には、失業中の若者や青年労働者などを中心にしたさまざまな勢力が、緊縮政策に抗議し、各政党に国民の声を聞くよう求める集会を各地でいっせいに始めました。インターネット上で呼び掛けられた運動です。集会は連日続いており、主催者によるとこれまでに約13万人が参加しています。

 主な要求は、20%を超す失業率の改善、医療、教育、住居を保障する財源の確保を目指した累進課税制度の強化、金融システムの監視強化などです。

 また英BBC放送によると、集会の参加者らは現行の政治制度は社会労働党・国民党の二大政党が中心で、少数政党が排除されており、「国民の利益と要求を反映していない」と主張。地方選では「よく考えて投票すること」を国民に呼び掛けています。

 サパテロ首相は19日、「若者たちの批判に耳を傾ける必要がある」「政党も自らを改善しなければならない」と語りました。

 スペイン共産党などでつくる統一左翼(IU)のカジョ・ララ代表は17日、「抗議行動は二大政党制へのノーの声だ」と指摘、IUへの投票を訴えました。





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