2011年5月22日(日)「しんぶん赤旗」
1日の食費1010円→1500円 1日諸経費300円→1000円 1人当たり
避難所の生活改善へ
被災者と共産党の要求実る
東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城、岩手、福島の3県が、被災者への食事や避難所の生活を改善するため、災害救助法の特別基準を設定したことが21日までに分かりました。食費は1人1日1010円以内を1500円以内に、避難所設置経費は1人1日300円を1000円に、それぞれ引き上げました。
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日本共産党はこれまで政府への「提言」や要請のなかで、災害から救援された人々が避難所で健康を害し命を落とす二次被害の拡大を防ぐため劣悪な避難所の生活環境を改善するよう求めてきました。
党国会議員や被災地の党組織・地方議員が被災者や民主団体とともに国や自治体に繰り返し改善を求めてきたのが実ったものです。
被災地では震災から2カ月以上たっても依然として少なくない避難所でおにぎりやパンといった食事が続いています。宮城県の4月の調査では県内避難所の約9割が摂取カロリー不足。たんぱく質やビタミンも8〜10割で不足していました。
被災3県は避難の長期化が予想され、避難所での生活環境の改善をすすめる必要があるとして特別基準について厚労省と協議し、3日、国の承諾を得ました。
特別基準設定を求める理由について食費では「メニューの多様化、適温食の提供、栄養のバランス(必要カロリー数を含む)の確保、高齢者等要援護者への配慮された食事の提供」をあげています。
避難所設置経費は「被災者のプライバシーの確保、暑さ対策、入浴・洗濯の機会の確保等生活環境の改善を図る」としています。
国は「さらに不足することが見込まれる場合は、再度、ご相談されたい」と回答しています。
国と県を動かした
日本共産党の遠藤いく子宮城県議の話 避難所では特に食事とトイレの衛生問題が深刻でした。被災から1カ月たってもパンやアルファ米、即席めん、缶詰しか供給していない自治体がありました。日本共産党宮城県議団は、これでは健康を損ない生きる力を消失してしまうと栄養バランスのとれた食事の確保や衛生状態の改善を求めてきました。特別基準設定は、被災者と結んだ日本共産党の議会での質問や要望が国や県を動かしたものです。
今後は避難所を運営する市町村に、食事や避難所設置の特別基準の実施を徹底させるとともに、避難生活が長期化するもと、被災者の要求に即した特別基準の引き上げを求めていきたい。