2011年5月21日(土)「しんぶん赤旗」
与謝野経済財政担当相
福島原発事故は「神様の仕業」
東電を免罪
与謝野馨経済財政担当相は20日の閣議後会見で、東電福島第1原発事故は「神様の仕業としか説明できない」と発言しました。同原発の津波対策に関しても「人間としては最高の知恵を働かせたと思っている」と語り、東電に事故の賠償責任を負わせるのは不当だとの考えを重ねて強調しました。
与謝野氏といえば、大学卒業後、日本原子力発電に就職し、その後原発推進の中心だった中曽根康弘元首相の秘書をへて政界入りした経歴の持ち主。衆院科学技術委員長や通産相などを歴任し、原発建設を推進してきた、筋金入りの「原発族」政治家です。
今回の事故後も「(原発を)推進してきたことは決して間違いではない」と言い放つとともに、原発を推進してきたことに謝罪するつもりも「ない」と断言。東電の賠償責任の免除まで主張してきました。
原発事故は東電や政府が「安全神話」にどっぷりつかり、地震や津波への備えを欠いているとの警告を無視し、安全対策を怠ってきたために起きた明らかな人災です。放射線被害でふるさとを追われた住民、農水産業の甚大な被害に少しでも向き合う姿勢があるのなら、「神の仕業」とうそぶくのではなく、「安全神話」を振りまいてきた責任を痛感し、反省こそなすべきでしょう。(吾)
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