2011年5月21日(土)「しんぶん赤旗」
東電 経常利益55%増
3月期決算 特別損失計上 最大の赤字
東京電力は20日、2011年3月期の決算を発表しました。売上高は、連結で前年度比7・0%増の5兆3685億円、単独では同7・1%増の5兆1463億円でした。経常利益は、連結で同55・5%増の3176億円、単独では同70・9%増の2710億円でした。連結純損益は1兆2473億円の赤字。金融機関を除く日本企業では史上最大の赤字となりました。
増収・増益にもかかわらず、純損益が赤字となったのは、東日本大震災により被災した資産の復旧などの特別損失を1兆776億円計上したことによるものです。
東電はまた、清水正孝社長が6月28日付で引責辞任し、後任に西沢俊夫常務を起用すると発表しました。勝俣恒久会長は当面留任します。
また、福島第1原発1〜4号機の廃炉と、7、8号機の増設計画の中止も正式決定しました。現地に事故対応のための「安定化センター」を新設し、小森明生常務が所長として常駐します。
さらに、保養所など厚生施設の全廃、電力供給以外の事業からの撤退によって6000億円以上の資金確保を目指します。損害賠償について西沢次期社長は「国の支援も受けながら公正・迅速に対応する」と語りました。また、電気料金の値上げについては、「言及する段階ではない」(清水社長)としました。
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