2011年5月20日(金)「しんぶん赤旗」

規制機関に権限と体制持たせ原発ゼロへ役割発揮を

志位委員長表明


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(写真)記者会見する志位和夫委員長=19日、国会内

 日本共産党の志位和夫委員長は19日の国会内での記者会見で、菅直人首相が前日の会見で原子力安全・保安院と経済産業省の分離の検討を表明したことについて問われ、「規制部門の分離・独立は当然だが、ただ分離すればすむものではない。しかるべき権限と体制を持たせ、原発をなくすための機関と位置づけることが必要だ」と述べました。

 志位氏は、原子力の規制機関とされている原子力安全・保安院が、推進機関である経済産業省の一部門になっている現在の状態は、国際条約にも反する異常な状態であり、分離・独立は当然だと指摘しました。

 そのうえで第一に、分離してできた規制機関にしかるべき強力な権限と体制を持たせることが重要だと述べました。

 志位氏は、米国の原子力規制委員会が専任スタッフだけで約3000人を擁する一方、日本の原子力安全・保安院は体制も弱ければ、人的にも電力業界と癒着するなどさまざまな問題点を抱え、経産省から一応は独立した機関とされている原子力安全委員会には権限がなく今回の事故で役割を果たしていないと指摘。「しかるべき強力な権限と体制を持ち、電力業界などとの利権や癒着もすべて断った独立機関とするというのが第一条件だ」と述べました。

 第二は、規制機関を原発撤退のプロセスに位置づけることです。

 志位氏は、菅首相が今後の原子力政策について「白紙」という態度にとどまっていることをあげ、「かりに規制機関を分離しても、原発に『安全証明』を与え、原発を増設していくために使うのであれば、増設のための一つの道具になってしまう」と強調。日本共産党が、原発からの撤退を政治的に決断し、期限を決めたプログラム策定を政府に求めていることを紹介し、「このプロセスのなかに分離・独立した規制機関を位置づける。増やすための規制機関でなく、なくすための規制機関と位置づけることで積極的な意味を持ってくる」と力説しました。





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