2011年5月19日(木)「しんぶん赤旗」
学校線量
屋外基準値「高すぎる」
衆院委参考人質疑 宮本氏に専門家
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衆院文部科学委員会は18日、放射線が健康に与える影響などについて参考人質疑を行い、長瀧重信・長崎大学名誉教授、仁志田昇司・福島県伊達市長、武田邦彦・中部大学教授、山口建・静岡がんセンター総長が意見陳述しました。
日本共産党の宮本岳志議員は、文科省が示した学校における屋外活動制限の基準値(年間20ミリシーベルト。毎時3・8マイクロシーベルト)について、日本医師会が「科学的根拠が不明確」との見解を出すなど疑問の声が上がっていることを紹介し、基準値の妥当性を質問しました。
長瀧氏は「20ミリシーベルトの科学的根拠を言える人はいない」と指摘。山口氏は「学校という場では高すぎる」と答えました。
宮本氏は「基準値に対する不信感が高まっている。見直すべきだ」と強調しました。
市独自に校庭の表土を除去した仁志田氏は、「基準は下げられるならば下げて設定すべきではないか。表土を除去すれば放射線量を下げられることはわかっている」と述べました。
山口氏は内部被ばくの危険性について、「ヨウ素131は体内で濃縮する。最初の(原発)爆発のヨウ素はかなり減衰していると思うが、福島市の放射線量はあまり変わっていない」とし、ヨウ素の拡散状況を調査する必要性を指摘しました。