2011年5月19日(木)「しんぶん赤旗」
参院災害特
「想定外」思考を批判
山下議員 原発撤退の決断を
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日本共産党の山下芳生議員は18日の参院災害対策特別委員会で、福島第1原発事故の教訓を踏まえた原子力行政のあり方についてただしました。
山下氏は、事故が収束しないなかで避難住民も「先の見通しが全くない、希望がないことが最大の不安だ」と語ったことにふれ、「悲惨な状況を二度と生んではならない」と強調。作家の柳田邦男氏が、「想定外」という線引きは「それ以上のことはないことにしよう」という思考様式に免罪符を与えると参院で意見陳述(10日)したことを紹介し、政府の見解を求めました。松本龍防災担当相は「想定外のことを想定していくのが科学だ」と答弁しました。
山下氏は、浜岡原発の安全性を問う裁判で中部電力の証人として、何重もの事故防止策をとると「ものなんて絶対つくれない。だからどこかで割り切る」などと証言した班目春樹氏が原子力安全委員長に就任したことを示し、政府の対応を批判しました。
また山下氏は、「想定外」という発想は、それ以上の事態への対処などで備えがないに等しい状態をつくるとの柳田氏の指摘に言及。東祥三内閣府副大臣は「思考停止そのものだ」、そういう思考自体を「変えなければいけない」と述べました。
山下氏は、地震・津波大国の日本に原発立地に適した地域などないと指摘。「原発に頼る政策から撤退する決断をする必要がある」と主張しました。