2011年5月18日(水)「しんぶん赤旗」
原発建設反対 97%
伊、復活路線に打撃
サルデーニャ州住民投票
イタリアのサルデーニャ州で15、16の両日、原発建設に関する住民投票が行われ、97%以上が原発建設反対の意思を表明しました。1州(全国20州)での住民投票でしかありませんが、同国のベルルスコーニ右派政権が計画する原発復活の路線に決定的な打撃を与えるものとみられます。
住民投票は「サルデーニャに原子力発電所と放射性廃棄物の貯蔵施設を建設することに反対しますか」の設問に「はい」か「いいえ」で答えるもの。現地からの報道によると、最終集計で「はい」の投票は97・64%に達しました。投票率は59・34%でした。
原発建設反対の姿勢を明確にしているウゴ・カペラッチ州知事は、大勢が判明した時点で記者会見を開き、日本の福島第1原発事故が「サルデーニャ住民の自覚を促したことは間違いない」と勝因を分析。「再生可能エネルギーを目指すべきだ」と強調しました。
また野党・民主党のグリーンエネルギー責任者のエルメテ・レアラッチ氏は「期待以上の結果だ。議会と政府は国民の意思を尊重し、原発復帰を最終的に放棄すべきだ」と語りました。
イタリアでは25年前のチェルノブイリ原発事故の後、1987年の国民投票で原発全廃を決定。原発復活を目指すベルルスコーニ首相は、2013年から4カ所で原発建設を進める計画でしたが、福島原発事故を受けて計画の1年間凍結を決定しています。
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