2011年5月18日(水)「しんぶん赤旗」
下水汚泥に放射能蓄積
官房副長官 「自治体と連携対処」
参院総務委 山下氏に回答
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日本共産党の山下芳生議員は17日の参院総務委員会で、福島第1原発事故の放射性物質を含む汚泥が福島県内の下水処理場などで大量に蓄積されている事態は「新しい深刻な問題だ」として、国の対応をただしました。
山下氏は、郡山市の下水処理場で、下水汚泥からつくられる溶融スラグから1キログラムあたり33万4000ベクレルの放射性セシウムが、また福島市では汚泥から44万6000ベクレルがそれぞれ検出されるなど、国の暫定的な基準値(10万ベクレル)を大きく超えていると指摘しました。
その上で、政府の通知が、汚泥等を県内で「適切に保管」し、基準値を下回る場合は、「管理型の埋め立て処分場に仮置きして差し支えない」としていることに言及。たとえ10万ベクレル未満でも住民の理解は得られず、福島市の処理場だけで毎日10トンもの脱水汚泥が増え続けている実態を示し、「自治体任せではなく、最終的な処理まで国が責任を持つべきだ」と迫りました。
福山哲郎官房副長官は、「国が責任を逃れるつもりはない」と述べながら、当面は「仮置き」などで県の理解を求めたいと答弁。「原発事故があっての話だ。自治体は当面の方針だけではすまない」と山下氏が迫ると、「県や市町村としっかり連携して対応していきたい」と表明しました。
また山下氏は、首都圏の一部都県でも下水汚泥から放射能が検出されており、処理に当たる自治体職員の健康管理や教育、必要な装備の配備についても、「国の責任で丁寧な対応をとるべきだ」と要求。厚労省の小林正夫政務官は、「しっかり対応していかなければいけない」と答えました。