2011年5月16日(月)「しんぶん赤旗」
原発事故 三つの脅威
東北大で科学者会議シンポ
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日本科学者会議宮城支部、福島支部などの共催でシンポジウム「福島原発事故の真実とエネルギー政策転換の展望」が14日午後、仙台市の東北大学で開かれました。
核・エネルギー問題情報センター事務局長の舘野淳氏が原子炉の構造や東京電力福島第1原発事故の経過について解説。現状について、「依然脅威は去っていない」とし、崩壊熱、放射能、水素爆発の三つの脅威に対して、「一つでも対応を誤れば破局的事態になりかねない」と指摘しました。
明日香壽川東北大学教授は、温暖化対策として新しい仕組みが必要とし、電力会社が地域独占する電力体制改革や低炭素、再生可能エネルギーに特化した国債の発行などを提唱しました。
福島第1原発から約40キロメートルの福島県いわき市に住む原発問題住民運動全国連絡センターの伊東達也筆頭代表委員は、同県での被害の影響について報告。東京電力に対して、チリ級の津波への抜本的対策を求めてきた同氏は「チェルノブイリ事故を繰り返すなと呼びかけてきたが、こういう事故が起こり、無念の極み」とし、「すべての被害者の痛みと苦しみと思いを共有していく」と訴えました。
会場からは、放射能の影響や原発をなくした場合の主な電力はどうなるのかなど活発な質問が出されました。
宮城県の東北電力女川原発を視察に訪れていた吉井英勝、高橋ちづ子両衆院議員と高野博女川町議が閉会間近に駆けつけ、高野町議が「原発を監視し、住民の安全を守るため、これからも頑張りたい」とあいさつしました。
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