2011年5月15日(日)「しんぶん赤旗」

市と交渉し作付け可能

宮城・名取 農民の訴え届く


 米どころの宮城県では、各地で田植えが始まっています。名取市堀内地区でも14日、「苗で青く染まっていく田んぼを見るとうれしい」「おいしい米をつくって被災者に届けたい」と早朝から田植えに励む農民の姿がありました。

 同市沿岸部は東日本大震災による津波の被害を受け、田んぼは海水や泥に漬かり作付けができません。内陸側の同地区は被害が一部にとどまりましたが、排水経路の下流にある排水処理場が津波で機能しなくなったため、市は水稲作付けの自粛区域に指定しました。

 15歳から農業を営む男性(75)は「何としても農業を守りたい」という思いから市と交渉。この地域が河川への自然排水経路を確保していることをあげ、自主的な作付けを認めてほしいと訴えました。

 そのかいあって地域の農民たちは作付けが可能に。夫婦で田植えをしていた男性(55)は「自粛区域ということで田植えができないと思ったが、この日を迎えられてうれしい。台風などの心配もあるがしっかり育ってほしい」と語りました。

 3人の息子と一緒にひとめぼれを植えながら菊地さんは言います。「被災された方や全国のみなさんにおいしい米を食べてもらいたい」  (秋山豊、西山綱男)





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