2011年5月15日(日)「しんぶん赤旗」
米国
「アフガン撤退」の声相次ぐ
【ワシントン=小林俊哉】9・11同時多発テロの首謀者ウサマ・ビンラディン容疑者が米軍特殊部隊によって殺害されて2週間。これを機に、国際テロ組織アルカイダの掃討を第1の目標に掲げるアフガニスタン戦争をめぐり、米軍の大規模撤退を求める声が相次いでいます。
与党・民主党の下院議員を中心に構成する進歩議員連盟は「迅速、安全かつ責任ある撤退に動くべき時だ」との書簡をオバマ大統領に送付(4日)。「(米国)史上最長の戦争に終止符を打つこと」は「国民の圧倒的多数が支持する立場だ」として、大規模撤退に向けた短期計画を発表するよう求めています。
野党・共和党のロン・ポール下院議員は「ビンラディンが去ったいま、この地域に(軍事力を)展開する必要はない」と自身のホームページで強調しました。
最近のニューヨーク・タイムズ紙/CBSニュースの世論調査では、アフガン戦争について、さらに増派が必要との回答が6%だったのに対し、兵力の削減を求める回答が48%に上りました。
こうした声に包囲される形で、ケリー上院外交委員長も10日、「一方的で性急な撤退」には反対としながらも、「(米軍関与を)必要最小限にするために努力すべきだ」と述べました。
オバマ氏は、現在10万人規模に膨れ上がった駐留米軍の「撤退過程」を今年7月に開始すると公約しています。ウォール・ストリート・ジャーナル紙(10日付)は、米軍内で検討されている案では、7月の撤退規模は最大で5000人程度だと報じています。
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