2011年5月15日(日)「しんぶん赤旗」

福島1号機 建屋地下に大量汚染水

1階は毎時2000ミリシーベルトを計測


 福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)1号機の原子炉建屋地下に大量の水がたまっていることが確認されました。原子炉格納容器から漏れ出た高濃度の汚染水の可能性が高いとみられます。また同建屋1階では、1時間当たり2000ミリシーベルトというこれまでで最大の放射線量が計測されました。東京電力と経済産業省原子力安全・保安院が14日発表しました。

 東電の作業員2人が13日に建屋内に入り、地下に通じる階段2カ所を懐中電灯で照らして目視。そのうち北西角にある階段で、天井まで11メートルある地下階の半分ほどの深さまで水がたまっていることを確認しました。3000トン程度たまっている可能性があるといいます。西から東に向かう流れが確認されましたが、水面の放射線量は測定していません。

 1号機では原子炉冷却のため累計1万トン以上を注水。しかし格納容器内にたまっている水量は5800トン程度とみられ、残りがどこに漏れ出しているかは不明でした。東電は、格納容器の圧力抑制室か、そこにつながる配管のつぎ目などから建屋地下に漏れた可能性が高いとしています。

 東電は、建屋地下にたまった水を浄化し、原子炉冷却水として循環させることも選択肢の一つとしてあり得るとしています。

 一方、同日のロボットによる建屋1階の南東側の調査で、1時間当たり2000ミリシーベルトの空間線量を計測しました。そこに8分間いると緊急時の被ばく限度を超えるほどの非常に高い線量。原子炉内の中性子計測装置の一部配管が延びているためではないかと、東電は説明しています。





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