2011年5月13日(金)「しんぶん赤旗」
民事法律扶助拡充を
参院法務委 井上議員が求める
|
日本共産党の井上哲士議員は12日の参院法務委員会で、被災地で生活再建に向けた法律相談が増加していることを指摘し、無料の法律相談や弁護士費用の立て替えなどを行う民事法律扶助の拡充を求めました。
民事法律扶助を利用するには、月収などの要件がありますが、被災者には必要な書類の準備も困難です。井上氏は、阪神・淡路大震災時のように要件緩和や立て替え払いの償還猶予・免除を要求。民事法律扶助などを担っている公的な法人「法テラス」が積極的にとりくめるよう、法務省として予算等で後押しするよう迫りました。
江田五月法相は、「指摘はそのとおりだ。『法テラス』のみなさんがカネが来ないのではと(不安で)仕事が鈍ることではいけない。関係府省と協議をして適切に対処したい」と答えました。
井上氏は、2日に仙台弁護士会が紛争を簡易・迅速に解決する「震災ADR(裁判外紛争解決手続き)」のセンターを開設したことを紹介。隣家のブロック塀が倒れ車が壊れた場合など震災を原因にした紛争を弁護士が仲裁人となり解決するもので、「被災地の実情にあっている制度だ」と強調し、法律扶助の対象として利用を促進するよう提起。長期に相談体制を保つために拠点施設の設置も求めました。
江田法相は、「和解交渉の場としてのADRは法律扶助の対象としてさしつかえない。弾力的に運用を」と述べ、拠点設置について「関係機関と協議を進める」と答えました。
■関連キーワード