2011年5月13日(金)「しんぶん赤旗」
被災住宅補修 半壊未満にも助成
大門議員の質問に国交省「可能」
日本共産党の大門実紀史議員は12日の参院財政金融委員会で、現行の「被災者生活再建支援制度」の適用対象外となっている「半壊」未満の被災住宅に対する補修費用に対し、自治体が国の「社会資本整備総合交付金」を活用して助成することは可能かとただしました。国土交通省の井上俊之審議官は「可能だ」と認めました。
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全壊または半壊の判定を受けた被災家屋の再建・補修は、「被災者生活支援制度」の支援対象(最高300万円)となりますが、半壊に至らない場合は対象外です。大門氏は自ら視察した東日本大震災被災地の実態に言及し、「半壊までいかないレベルの住宅の損傷がかなりあるが、支援措置もなく、自治体もどうしていいかわからず、当事者も直すに直せないまま放置されている」と指摘しました。
その上で、自治体が「住宅補修助成制度」を設けた場合、「社会資本整備総合交付金」は使えるのかと質問。井上審議官は、「被災住宅が補修で直るなら、しっかりすすめることは大変重要だ」として、助成費用の約半分を補助する同交付金は活用可能だとの見解を示しました。
大門氏は、「国交省は自治体が補修制度をつくった場合は交付金が使えることをぜひ知らせるべきだ」と要求。井上審議官は「待つだけではなく、被災地の実情をよく聞いたうえで、できるだけ情報の周知に努めていきたい」と答弁しました。
社会資本整備総合交付金 国が都道府県の住宅・社会資本整備計画を支援するためのもので、今年度は総額で3・2兆円。配分を受けた各都道府県は、道路、港湾、治水などのインフラ整備や住宅、住環境整備などに活用します。国交省は東日本大震災の復旧・復興事業に回す予算を確保するため、当初の想定額より5%削減したものです。
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