2011年5月13日(金)「しんぶん赤旗」
東電賠償の枠組みで志位委員長
“まずスキーム”は順番が逆
全面賠償、仮払い、債務肩代わりを
日本共産党の志位和夫委員長は12日、国会内での記者会見で、福島第1原発事故にともなう東京電力の損害賠償に対する政府支援の枠組み(スキーム)について報道陣に問われ、「どういうスキームで賠償を行うかという前にやることがある」と指摘し、全面賠償の確約や速やかな仮払いの実施、債務の肩代わり―という被害者が切実に求めている支援の実施が先だと主張しました。
志位氏は、9日に南相馬市など福島県で行った震災・原発事故被災地訪問で一番強く出された住民の要望は、(1)全面賠償の確約(2)仮払いの一刻も早い実施(3)農漁業・中小業者などが抱える債務の肩代わり―の3点だったことを紹介。
その上で、「風評被害も含め、事故が起こらなかった場合の収入と現在の収入の差額を全面的に賠償することを約束すべきだ」と強調。仮払いについても、「手続きは原発30キロ圏内の住民にしか行われておらず、それ以外の住民や農漁業、商工業、観光業などの産業被害には一切支払われていない。直ちにやるべきだ」と主張しました。
また、「多くの農漁業・中小業者は事故で仕事ができずに借金が返せない。当面、国が肩代わりして東京電力の負担責任を果たさせるべきだ」と指摘。「これら三つの要望にきちんとこたえることが今、政府が決めることだ。“スキームが先にありき”というのは順番として逆だ」と述べました。