2011年5月12日(木)「しんぶん赤旗」
介護必要な人の避難所開設
リハビリ・食事“助かった”
宮城・石巻市
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「支給される食事はおにぎりやパンが中心で、食べづらい」「トイレを我慢し続け、エコノミークラス症候群に」―東日本大震災発生から11日で2カ月。長引く避難所生活で、体調を崩す高齢者が増えています。
宮城県石巻市は、介護が必要な人専門の避難所を市の施設2カ所(河南地区、桃生地区)に4月下旬、開設しました。10日、日本共産党の遠藤いく子県議と水沢ふじえ市議がこの避難所を訪ね、責任者やスタッフに現状と要望を聞きました。
介護保険認定者と申請中の人などが対象の避難所には88人、介護の必要な人が対象の避難所には12人が入所。理学療法士、作業療法士、介護者、医師、看護師などが24時間の生活を支えます。必要な人には、栄養士がつくったおかゆや刻み食も提供されています。
桃生地区の避難所の壁には「元気と笑顔がでる避難所」の文字。床スペースの半分は入所者のベッドが置かれた居住空間、食事スペース、リハビリや憩いのための畳のスペースです。
スタッフの調整役、保健師の高橋由美さんは、「以前の避難所での、床に雑魚寝状態の生活で歩けなくなった人が何人もいました。リハビリを受け、また歩けるようになりました」と話します。
責任者の二上洋介健康推進課課長補佐は、「石巻赤十字病院のスタッフと保健所保健師のチームが避難所を回り、介護が必要な人が約60人ピックアップされています。順次、移ってもらう予定です」と話します。
1人ぐらしでつえがないと歩けない女性(87)。自宅が全壊し、避難所生活を送っていました。「以前は階段の上がり下りが大変で、段ボールに敷いた布団の上で過ごしていました。ここに来てよかった」と笑顔で話しました。 (川田博子)