2011年5月12日(木)「しんぶん赤旗」
高汚染水 また海に流出
福島3号機
東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の3号機の取水口付近で11日、コンクリート製の立て坑(ピット)に、国の基準の62万倍に上る放射性のセシウム134などを含む水が流入しているのを作業員が見つけたと、東京電力が発表しました。同社は、取水口付近の海水の放射能濃度も高くなっており、汚染水が海へ流出したとしています。
東電によると、がれきの撤去などをしていた作業員が、水の流れる音に気づき、午前10時半に写真撮影。ケーブルの通る金属製の管から水がピット内へ流れていました。
東電は、同日午後6時45分ごろ、ケーブルを切断し、金属製の管にぼろきれを詰め、ピット内をコンクリートで埋めて流出を止めたといいます。
水を採取して調べたところ、ヨウ素131が1立方センチ当たり3400ベクレルで、国の濃度限度の8万5000倍、セシウム134が同3万7000ベクレルで、濃度限度の62万倍、セシウム137が3万9000ベクレルで、濃度限度の43万倍でした。
取水口の外側の海に張った「シルトフェンス」という幕の内側で採取した海水の放射能濃度は、濃度限度の4800〜3万2000倍で、東電は「ピット水の影響を受けている」と述べました。
東電は、ピットへの汚染水の流入元は3号機のタービン建屋からだといい、先月、2号機のピット周辺から海へ流出した時と似ているとしています。
経産省原子力安全・保安院は、ほかにも海への流出の可能性がないか点検するよう、東電に求めています。
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