2011年5月11日(水)「しんぶん赤旗」
原発労働者の健康守れ
法令の見直しを求める
田村議員
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日本共産党の田村智子議員は10日の参院厚生労働委員会で、福島第1原発の労働者の健康管理に政府が責任をもってあたるよう迫りました。
田村氏は、法令上は原発労働者の「通常時」の被曝(ひばく)上限(5年間で100ミリシーベルト、1年間では50ミリシーベルト)と「緊急時」の上限(250ミリシーベルト)は別建てであり、大量の被曝の危険性があると指摘。厚労省労働基準局の平野良雄安全衛生部長は「5年間で100ミリシーベルトを超えないよう強く指導したい」と答弁。田村氏は「指導に従わなくても罰則がない」として法令の見直しを要求しました。
田村氏が、電離放射線障害防止規則にもとづく原発労働者の内部被曝検査について見直しを求めたのに対し、小宮山洋子厚労副大臣は指導によって1カ月に1回の検査にしたと答えました。
田村氏は、事故対応には下請け労働者が多数従事し、09年度被曝線量調査では、5ミリシーベルトを超える電力会社社員55人に対し、下請け労働者は約5000人にも上っていることを指摘。下請け労働者は、厚労省の指導に従えば仕事がなくなってしまうなど複雑な立場に置かれていることを示し、健康と仕事を天びんにかけることがないよう政府が責任を持つべきだと求めました。
これに対し細川律夫厚労相は、作業を離れた後も個人個人のデータベースをつくって健康管理する対応を行うと答えました。