2011年5月11日(水)「しんぶん赤旗」

東電に責任の自覚促せ

全面賠償へ政府の姿勢ただす

山下議員


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(写真)質問する山下芳生議員=10日、参院総務委

 日本共産党の山下芳生議員は10日の参院総務委員会で、東京電力が福島原発事故の全面賠償を否定する要望書を原子力損害賠償紛争審査会に提出した問題を取り上げ、政府の姿勢をただしました。

 要望書(4月25日)には、今回の事故は東電の賠償が免責される「異常に巨大な天災地変」にあたるとの解釈も可能として、東電が負担可能な限度額を考慮することや国の援助などを求めています。

 山下氏は「史上最悪の原発事故を自ら起こしたとの自覚が欠落している」と批判。全面賠償以前の仮払いにさえ後ろ向きの姿勢であり、負担の上限を設けよという要望は「被害者に対する全面賠償を否定するものだ」と強調し、審査会としてどう臨むのかと質問しました。笹木竜三文部科学副大臣は「異常に巨大な天災地変」にはあたらないとし、東電の賠償免責、賠償額の「上限」設定は考えないと述べました。

 山下氏は、東電がこうした要望書をだす背景には、再三事故の危険性が指摘されてきたにもかかわらず備えを怠ってきたことに対する責任感の欠如があると批判しました。松下忠洋経済産業副大臣は「現実はしっかり認識しなければいけない」などと、あいまいな答弁を繰り返しました。

 山下氏は「東電に事故の責任を自覚させ、全面賠償の立場に立たせるのは政府の責任だ」と批判。松下副大臣は「同じ認識だ」と述べざるを得ませんでした。

 山下氏はその上で「東電に責任を自覚させ全面賠償させるかどうかは、政府が自らの責任を自覚しているかどうかが問われる問題だ」と強調しました。





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