2011年5月11日(水)「しんぶん赤旗」

「陸山会」事件公判

5000万円テーブルの下でそっと

水谷建設社長が大久保元秘書に

同席者が目撃証言


 民主党の小沢一郎元代表の資金管理団体「陸山会」の土地購入事件で、政治資金規正法違反罪に問われた衆院議員石川知裕被告(37)ら元秘書3人の第11回公判が10日、東京地裁(登石郁朗裁判長)でありました。中堅ゼネコン「水谷建設」の協力会社社長(56)が、水谷建設側から小沢氏側への2回目の5000万円受け渡しに同席した際の様子について生々しく証言。受け渡し日時が2005年4月19日と特定されました。


 同社長の証言によると、社長は03年11月ごろ、水谷建設の川村尚社長(当時)を小沢元代表の元公設第1秘書大久保隆規被告(49)に紹介。04年夏ごろ、議員会館の小沢事務所を川村氏と訪問し、川村氏が胆沢ダムの関連工事を「有利な形で受注したいので、お力添えを」と頼むと、大久保被告は「努力します」と答えたといいます。水谷建設が同ダムの堤体盛立工事の重機土木工事をスポンサー(幹事社)並みの仕事量で確保できた後、川村氏が、お礼を述べると、同被告は「あれで、よかったでしょうか」とのべたといいます。

 05年4月中旬、東京都港区の全日空ホテル(当時)での現金受け渡しについては、川村氏が「これ、渡すんや」と茶色い紙包みが詰まった手提げの紙袋を示し、突然、「お菓子、お菓子」といったといいます。「お金だけ渡すのは失礼だ」というので、社長が同ホテルのケーキショップで2〜3000円程度の焼き菓子を購入。同じフロアの喫茶店の人目につかない席で、大久保被告を待ち、同被告の「何か体にいいものを」という提案でヨーグルトドリンクを注文。川村氏がテーブルの下を滑らせるように紙袋を渡すと、同被告は「ありがとうございます」と受け取ったといいます。

 同被告を見送った後、川村氏は「税金みたいなもんや」と話し、社長は「お金を渡したんだなと思った」といいます。

 焼き菓子とヨーグルトドリンクの代金を出した社長は、会社の経費として精算。東京地検特捜部に任意で提出した領収書によると、焼き菓子は05年4月19日の「午前8時49分」、ヨーグルトドリンクは同日の「午前9時33分」となっていました。

 06年7月、水谷建設の元会長が脱税事件で逮捕された直後、大阪で食事をしていた社長の携帯に大久保被告から電話があり、「水谷建設が大変なことになりましたね。水谷建設から頂戴したお金は全部あなたに返したことにしてほしい」と依頼があったといいます。社長は、「2回の陣中見舞いと、全日空ホテルで渡されたお金のことだと思った」と証言。検察側の「戻されたことはあったのか」との質問には、「ない」とのべました。





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