2011年5月10日(火)「しんぶん赤旗」

米 バーモント

皆保険へ 州法可決

2017年目標 まだハードルも


 【ワシントン=西村央】米北東部のバーモント州の議会は6日、2017年までに州住民のすべてが公的医療保険に加入することを目標にした州法案を可決しました。米メディアは「バーモント州は、州民のほとんどに対して保険を適用する最初の州となる可能性がある」(ボストン・グローブ紙7日付)と報じています。今週にも知事の署名で成立する見込みです。


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(写真)バーモント州議会議事堂(林行博撮影)

 同法案は、皆保険に向けた第一段階として、14年までに無保険者をなくすために「医療保険取引所」を州に設置することを内容としています。

 「医療保険取引所」は、オバマ政権下で昨年3月に成立した医療保険改革の一環で、この取引所のもとで、無保険者が低額の医療保険を購入しやすくし、低所得者には保険購入用の補助金を支給する制度。民間医療保険の参入を前提としており、公的医療保険とは性格を異にします。

 バーモント州で6日議会を通過した州法案は、この取引所設置にとどまらず、公的医療保険に向けてさらに前進をはかる方向をうちだしたのが特徴です。

 米メディアは、17年をめどとする公的な皆保険実施にむけては、連邦政府の認可などまだハードルがあることも指摘し、今後の展開を注目しています。

 バーモント州の地元メディアは、下院で94対49の賛成多数で可決したなかでの賛否両論を紹介しています。

 民主党のジューエット議員は「本当に適切な医療保険システムに向けて、われわれの努力は続く」と公的保険に向けた努力を表明。これに対し共和党のライト議員は「改革の必要性は認めるが、民間医療保険業界から顔をそむける必要があるのか」と、公的保険に反対の立場を示しました。

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