2011年5月9日(月)「しんぶん赤旗」

志位・市田両氏が宮城県石巻・仙台を訪問

復興への希望がもてる施策ただちに


 東日本大震災の被災地入りをしている日本共産党の志位和夫委員長と市田忠義書記局長は8日、宮城県石巻、仙台両市を訪問しました。首長、漁業、農業関係者に義援金を手渡し懇談するとともに、被災者からさまざまな要望を聞き、救援・復興に党をあげて力を尽くす決意を表明しました。穀田恵二国対委員長、小池晃政策委員長、高橋ちづ子東日本大震災現地対策本部長らが同行しました。


首長・漁業・農業関係者と懇談

石巻市長と

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(写真)石巻で亀山紘市長(左端)と

 石巻市では3000人近くの市民が死亡し、いまも約9000人が避難所生活を送っています。津波で約6割の世帯が浸水、いま、沿岸部は地盤沈下による満潮時の冠水に苦しめられています。

 市庁舎で志位氏らを迎えた亀山紘市長は要望書を用意し、仮設住宅の早期建設、鉄道の早期復旧、地盤沈下対策、避難所の食料供給など多岐にわたる支援を求めました。とくに、仮設住宅建設の目標1万戸に対し、5月末の完成見込みが2300戸足らずであることについて、「土地造成に国庫補助がつかないことなどがネックになっています」「救援・復興は一市町村で対応できるものではありません。前例にとらわれない国の対策をお願いしたい」と述べました。

 志位氏は要望について、「被災者一人ひとりの目線で、必要なものはすべて求める姿勢に敬意を申し上げます。私たちも被災者の生活基盤を回復するために必要なことはすべてやるという立場です。要望をしっかり受けとめ頑張ります」と語りました。

県漁協と

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(写真)船渡隆平県漁協専務理事(中央左)と

 石巻市では、志位氏らは県漁業協同組合の船渡隆平専務理事と懇談。同氏は、今回の災害で組合員1万480人中437人が犠牲となり、5万7886の全養殖施設と漁船の9割以上が失われたが、85%の組合員が漁業を再開したいと希望していると述べ、「もう一回、三陸の豊かな海に出て、国民に新鮮な魚を届けたい」と語りました。

 その上で「漁業を再開するにも新規に借金が必要です。少なくとも旧来の債務はなんとかしてもらわないと、どうにもなりません」と訴えました。

 志位氏は、「みなさんの重荷を取り除くために力をつくしたい」と応え、「船や養殖施設は100%補償がみなさんの声だとうかがっています」と述べました。船渡氏は、昨年のチリ大地震の津波では養殖施設で生じた18億円の被害が、制度上の制約から2億円しか補償されなかったことを説明し、政府に前例を超えた対応をとらせるための協力を要請。当座の生活についても、海のがれき処理についた予算の拡充と300万円程度の無利子無担保貸し付けが必要だと述べました。

 志位氏は「宮城の漁業は日本の宝。国が責任を果たすよう私たちも国会で頑張ります」と述べました。

JA宮城と

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(写真)仙台で菅原章夫JA宮城中央会副会長(右)と

 仙台市では志位、市田両氏らは、JA宮城中央会の菅原章夫副会長らと懇談しました。菅原氏は、県の全耕地面積の1割超が浸水被害を受けるなど、JA単独では復旧支援に限界があり、「国にお願いせざるをえません」と話しました。

 佐藤純一常務理事が、国の力による▽被災農家の収入確保▽農業関連負債の整理▽被災農地の買い上げと貸し付けなどを求める要請事項を説明。「田植え時期なのに何もできない被災農家を農地復元作業に雇ってほしい」「債務を抱える農家にせめてゼロからのスタートを」と訴えました。

 また農協に保管していた米が津波で大量に流されている被害への支援を求めました。

 志位氏は、「どれも当然の要求で被災者が自分で再出発できるところまで生活基盤を回復するのは国の責任です。国が復興への希望がもてる強いメッセージを早く出すことが大切です」と述べました。

 その後、志位氏らは宮城県庁に義援金を届け、仙台市にある党の大震災現地対策本部を激励しました。





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