2011年5月8日(日)「しんぶん赤旗」
平和維持の機関設立へ
ASEAN首脳会議開幕
【ジャカルタ=面川誠】東南アジア諸国連合(ASEAN)の第18回首脳会議が7日、インドネシアの首都ジャカルタで開幕しました。域内の平和維持を目的とする「平和・和解機関」の設立を盛り込んだ共同声明など一連の共同文書を8日に採択し、閉幕する予定です。
同国のユドヨノ大統領は開幕演説で、タイとカンボジアの国境紛争に直接言及することは避ける一方で、「われわれはASEANのイメージに悪影響を与える紛争に対応する責任がある。ASEANは、平和の確保を目的とした外交、対話の場をつくり出す能力を備えなければならない」と訴えました。
「平和・和解機関」については、複数の加盟国が内政不干渉の原則と矛盾するとの懸念を表明しています。これに対してインドネシアのマルティ外相は6日、「機関の概念はすでに、2003年に合意したASEAN共同体構想に盛り込まれている」と述べ、国家主権や内政干渉の問題は生じないと強調しました。
ユドヨノ大統領は食料・エネルギー安保の確立も急務だと指摘。農業の共同開発や食料の共同備蓄を早期に実践することを呼び掛けました。
エネルギー安保に関しては、代替エネルギー開発が急がれるとして、水力、地熱を具体例として挙げました。
東南アジア各国は原発開発計画を進めてきましたが、日本の原発事故を受けて反対世論が急速に高まっています。ユドヨノ大統領は、代替エネルギーの開発に向けた共同調査が必要だと述べました。
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