2011年5月8日(日)「しんぶん赤旗」
きょうの潮流
「震度」と「マグニチュード」。“いまさら”と思われるかもしれません。二つの違いは、地震を考えるうえでのイロハです▼震度は、地震の揺れの強さ。マグニチュードは、地震の規模、エネルギーの大きさをしめします。「考えられる地震の最高震度はマグニチュード8・6でございますから…」。震度とマグニチュードが、ごちゃ混ぜです▼しかし、混乱している人が通産省・資源エネルギー庁(当時)長官ときけば…。30年前の1981年2月、衆院予算委員会での話です。質問していた日本共産党の不破哲三議員が、注意しました。「震度じゃないよ、それは」▼不破さんは、静岡県の浜岡原発の危険をただしていました。政府側の答弁は、いかにも間が抜けています。震度5を想定し3号機の新設を認めるのか、と不破さん。震度5以上すべての場合を考え審査した、と政府側。不破さんがたたみかける。だったら、もっともひどい震度7が予想されると分かっていて原発をつくるのだから、よけい重大だ▼安全といいつくろう政府。しかし、核心に答えられません。つまり、「いくら構造物を丈夫にしてもだめです。地盤が壊れるのですから」(不破さん)という急所に。浜岡原発は、大震災が予想される東海地震の震源域の真ん中に立ちます▼津波も心配です。菅首相が、浜岡原発の運転を止めるよう中部電力に要請しました。不破さんがいっていました。そんな土地と分かっていて原発を置く政府や企業は世界には存在しない、と。