2011年5月7日(土)「しんぶん赤旗」
福島県の一部地域
チェルノブイリ級の汚染
文部科学省は6日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)事故で放出された放射性物質の地表面への蓄積状況について、航空機モニタリング測定の結果を発表しました。土壌汚染が、旧ソ連チェルノブイリ原発事故(1986年)に匹敵する状況であることが浮き彫りになりました。地図はセシウム134、137の地表面への蓄積量を合計したもの。濃度が高いところから赤色、黄色、緑色などとなっています。
広範囲に汚染拡大
文部科学省が6日に発表した福島第1原発事故の土壌汚染地図。調査は、文科省と米エネルギー省が4月6〜29日に実施しました。福島第1原発から80キロ圏内について、ヘリコプターと小型飛行機に搭載した放射線検出器で、地上に蓄積した放射性物質からのガンマ線を測定しました。
地図は放射性セシウム134、137の地表面への蓄積量を合計したもの。赤色(1平方メートルあたり300万〜3000万ベクレル)が最も濃度が高く、黄色(100万〜300万ベクレル)、緑色(60万〜100万ベクレル)と続いています。
野口邦和・日本大学専任講師(放射線防護学)の話 これまでの地上での測定結果から予想される濃度と大きな違いはないが、広範囲にわたってチェルノブイリ事故と同程度以上のすさまじい汚染が進んでいることがわかる。現状のままでは住民が戻れない地域が広範囲にわたって出るのは間違いない。今後は、さらに詳細な地図をつくって、対策を進めることが大切だ。
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