2011年5月7日(土)「しんぶん赤旗」
志位・市田氏が被災地訪問
岩手県副知事と懇談
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日本共産党の志位和夫委員長と市田忠義書記局長は6日、東日本大震災の被災地を訪問し、岩手県庁(盛岡市)で上野善晴副知事と懇談しました。今回の被災地訪問は9日まで4日間の日程。穀田恵二国対委員長、小池晃政策委員長、高橋ちづ子東日本大震災現地対策本部長らが同行し、岩手、宮城、福島各県の被災自治体や避難所などを訪ね、首長、漁業・農業・商工業関係者、被災者と懇談します。
志位氏は、同日の岩手県・上野副知事との懇談で、冒頭、全国から寄せられた義援金の第2次分を渡すとともに「被災の現状と国・政府に対する要望を率直にうかがわせていただきたいと思います」と語りかけました。
上野氏は、義援金について「県民のために使わせていただきます」と謝意をのべるとともに、岩手県内の死者が4335人、行方不明者が3305人にのぼること、避難者は避難所の1万5561人に加え、自宅避難者も2万2149人に及び、食料や衛生面で現在も十分ではない避難所も一部に残されていると説明。とくに医療対策や行政機能強化のための人的支援を要望しました。
住宅や営業再建では、二重ローンが深刻な問題になるとし、国による支援策が必要だと強調。さらに県の基幹産業である漁業については、漁船購入や養殖場復旧などで、漁業者や漁協の負担を抜本的に軽減する対策を求めました。
一つひとつにうなずきながら真剣に耳を傾ける志位、市田両氏は、それぞれについて実現に全力を尽くす決意を述べました。
その上で志位氏は、岩手県の「復興に向けた基本方針」で「被災者…一人ひとりの幸福追求権を保障する」「犠牲者の故郷への思いを継承する」という二つの原則を掲げていることについて「これはたいへん大切な原則だと思って読みました」と表明。現在、全壊で上限が300万円の被災者生活再建支援制度の抜本拡充、農漁業、中小企業、商工業などへの公的支援の実現に奮闘すると述べました。
まちづくりでは、「住民の理解と合意」が大事だとするとともに、「被災者の一人ひとりが自力で再出発できるようにするための基盤の回復を国として支援する、従来の枠を超えた対応をおこなうよう政府に求めていきたい」と語りました。
また、同県の達増拓也知事が政府の復興構想会議で、復興税に反対の意思を表明したことについて「心強く思っています」と表明。「被災地にも負担がかかり、復興に向けて日本全体のエネルギーを発揮する上でも障害になるものだと考えています」と述べました。
今回の被災地訪問には、党現地対策本部の太田善作副本部長も同行。上野副知事との懇談には、同本部の水戸正男事務局長と、岩手県の菅原則勝党県委員長、斉藤信県議らが同席しました。
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