2011年5月4日(水)「しんぶん赤旗」
「あぁ助かった」
視覚障害者がボランティア
岩手・宮古
|
「あぁ助かった。ありがとう」。マッサージを受けた人から、ため息がもれました。3日、兵庫県の視覚障害者の生活と権利を守る会の会員4人と介助スタッフ2人が岩手県宮古市の避難所を訪問し、少しでも疲れをいやしてもらおうと、マッサージを行いました。
一行は阪神・淡路大震災で避難所や仮設住宅の暮らしを経験した人も少なくありません。代表の吉田淳治さん(70)は、小学校1年生の時、福井地震にも遭い、生き埋めになり、その後、視力を失いました。
東日本大震災の被害が明らかになるにつれ、「障害者はどうしているのか。自分たちも何かできることを」と考えていたとき、障害者運動を通じて知人に紹介された日本共産党岩手県委員会、田中尚市議(宮古地区委員長)を通じ3、4の両日、避難所でのマッサージボランティアが実現しました。3日午前は50人余が生活する山口小学校の体育館を訪問。足がむくんで動かないという女性は、20分ほどマッサージを受けると、足が曲がるようになりました。
「すっきりした」と話す自営業者の女性(60)は、自宅も店も水没し、3カ所目の避難所暮らしです。ひどい肩こりからくる頭痛に悩まされていました。「最初は騒がれても2カ月たつと被災者への対応に温度差が出てくるのが気になる。お金が、仕事がほしい」とつぶやきました。
日ごろデイサービスで治療をしている男性(60)は阪神大震災の時、「勝手のわからない避難所ではトイレにいくのも困った」といいます。リウマチの女性を治療した後「いい仮設住宅に入れることを祈ってます」と話しかけました。